ご存じのとおり、私たち個人の所得には、累進課税制度により所得が増えるほど高率の課税がなされます。一番高い税率では住民税をあわせると50%を超える税率になります。これに対して、法人税の場合は、法人税と地方税をあわせても30%くらいとなります。そうすると、個人事業主の所得が増大すると税率が高くなり高額な税金を払うことになりますから、会社設立による節税効果は高くなります。したがって、会社設立後も小規模な個人事業主と同じ程度のレベルでビジネスを行いたいというのであれば別ですが、将来的には売上を伸ばして利益の増大を図りたいと考える起業家にとっては、会社を設立して節税メリットを享受すべきということになります。
また、会社組織の方が経費計上できる費用項目と範囲が増加しますので、この点でも節税メリットがあることになります。
さらには、欠損金を10年間繰越できるというメリットもあります。ある事業年度で損失が出た場合、その損失を翌年度以降の所得と相殺することができますが、個人事業主の場合、純損失の繰越は3年間しかできません。これに対して、法人の場合、青色申告していれば欠損金を10年間繰り越すことができます。